寒冷環境での結束バンド

結束バンドとは、主に通信線や電線など複数のケーブルをまとめる用途で使用される樹脂または金属製のバンドのことで、その使いやすさと作業性や耐久性の高さから、電設工事や通信工事の工事現場をはじめ、自動車や鉄道車両、産業装置や電子機器などのワイヤーの結束のような産業用から一般家庭用に至るまで幅広く利用されています。

結束バンドは多様な素材の物がありますが、戸外で使用される事も多いため様々な耐候性が求められることも多くなります。一般的な白い結束バンドはナイロン66製ですが、これは湿度や熱、紫外線や化学薬品に対する強度があまり高くありません。そこで、高温にさらされたり、寒冷地や湿度の高い場所で使用されることに耐える耐候性ナイロンや耐熱性、難燃性ナイロン素材のものが開発されています。

プラスティックは高温下で酸化して劣化しますが、寒冷環境でも脆化します。厳しい温度条件でも安定した強度を保つためカーボンブラックを配合した耐候性ナイロン66や耐候性ナイロン12、耐熱性ナイロン66やフッ素樹脂、ポリアセタールなどの開発が、高温や寒冷下の使用を可能にしました。

寒冷下ではプラスティックが固くなり、結束作業がしにくくなる面がありますが、作業で破損することはありません。素材によっては、使用温度範囲が零下40℃~150℃に及ぶものもあり、広い温度範囲で作業ができ、耐久性にも優れています。今後もさらに利用範囲が広がっていくと考えられます。

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